国際認証を受けている名古屋商科大学ビジネススクール。
今回は名古屋商科大学ビジネススクールで土日MBA単科を受講した際の体験談になります。
名古屋商科大学ビジネススクールの公式サイトは以下になります。
隠れた実力校「名古屋商科大学ビジネススクール」
読書や独学では得られない実践力・実戦力を身に付けたくて、2019年に名古屋商科大学ビジネススクールの土日MBA単科を受けてみました。
そのときの体験談をご紹介致します。
学校概要
私が単科授業を受けたのは名古屋商科大学ビジネススクール(NUCB)です。
MBAと聞くと、慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)やグロービス経営大学院等を思い浮かべる方も多いですよね?
実は「名古屋商科大学ビジネススクール」もKBSに劣らない、隠れた実力校として知られています。
何事もそうですが、「〇○のお墨付き」というのは客観的な評価としての説得力があります。
MBAにも「国際認証」という形で、国際認証機関が定めるカリキュラム内容や教員の質等の基準をクリアしたという「お墨付き」があります。
中でも「3大認証」と呼ばれる国際認証があります。
MBAの3大国際認証
- AACSB(米国)
- AMBA(英国)
- EQUIS(欧州)
「AACSB(米国)・AMBA(英国)・EQUIS(欧州)の国際認証を受けているか」ということは国際的なビジネスシーンではMBAホルダーとして評価に値するかの大きな試金石になります。
名古屋商科大学ビジネススクールは、AACSBとAMBAに続き、2021年9月にEQUISの認証も取得しました!
世界三大認証と呼ばれる3つの国際認証を取得してトリプルクラウン校となった国内初のMBAがNUCBです!!
国際認証を受けていなくとも「ビジネススクールやMBA」と名乗ることはできますし、カリキュラムの内容や得られる学びの質が一概に低いとは言い切れません。
しかし、「国際社会でMBAホルダーとしてキャリアを築いていきたい」というお考えがあるのであれば、国際認証の取得は気にすべき観点の1つとして頭に入れておいて頂きたいです。
逆に、自身で起業する、国内企業での昇進をメインのキャリアに見据えている場合は、そこまで国際認証を意識する必要はないかもしれませんね。
さて、MBAの国際認証に話が逸れましたが、名古屋商科大学ビジネススクールに話を戻します。
名古屋市営地下鉄 丸の内駅から徒歩3分程の場所に本校があるビジネススクールです。
キャンパスは名古屋以外に東京と大阪にも存在しています。
私は東京キャンパスで単科授業を受けましたが、名古屋旅行と英語で授業を受ける「Global MBA」の説明を受ける為に名古屋キャンパスも見学に行きました。
あの美しい建物で英語で多様な受講生と議論する・・・。
とても憧れましたが、名古屋での受講となると仕事を辞める必要が出てきます。
その間に現場で得られる経験や学びを失うこと、収入を失うことの方が、私には惜しく思えました。
なので、まずは東京キャンパスでの単科授業を受講することにしました。
「週末MBA」と題している土日完結の授業を展開している国内MBAで、国際認証取得済は「名古屋商科大学ビジネススクール」くらいだと思いますので、将来的には本格的なMBA受講も検討しています。
前置きが長くなってしまったので、肝心の授業体験談は別の記事として書きたいと思います。
名古屋商科大学ビジネススクールの授業を疑似体験されたい方は、以下の本を読んでみることもオススメです。
前半では基礎知識としての経営理論等の紹介をしてくれており、後半では基礎知識を前提に置きながら授業風景をそのまま切り取ったように講師と生徒の掛け合いが記されています。
ただ読むだけではなく、自身で考えることもできる実践型学習本です。
単科授業を受けた感覚よりも、本に登場する生徒は優秀な印象ですが。笑
受講科目:リーダーシップ開発
「マネージャー」と「リーダー」の違いを考える機会や、自身のコミュニケーションスタイルを他の生徒と比較して改めて客観視する機会となりました。
授業概要
- 受講科目:リーダーシップ開発
- 講師名:山本 篤
- 教科書:第2版 リーダーシップ論(ジョン・P・コッター)
「リーダーシップ開発」を受講しようと思った背景
私が「リーダーシップ開発」を受講することにした理由ですが、チームリーダーを務めたときに”力不足”を実感したからです。
私が初めて「チームリーダー」という立場になったとき、自分のタスクをこなしながらメンバーの育成とプロジェクトの推進を両立しなければなりませんでした。
上長として職位としてのマネージャー以上の人間が体制上では組み込まれていましたが、週次での進捗報告程度の関わりしかなく、実質的に自分が責任者でした。
プロジェクト自体は無事に終えることができたのですが、最後にチームリーダーとしてメンバーとプロジェクトの振り返りをした際にメンバーから以下の言葉を貰いました。
「タスクを任せて貰ったことは嬉しかったです。ただ、もっと心に残る指導が欲しかったです。」
自分としてはメンバーを育てるという意味であえて距離を置いていた部分もあったのですが、「リーダーとしてメンバーを率いることはできていたのか」「マネージャーとして管理できていのか」と考えるようになりました。
あなたもリーダーやマネージャーを務めることがあったり、部下を率いる経験はあると思います。
もしくは、数年後にはそのような立場になるという方もいるでしょう。
ここで考えてください。
「リーダーとマネージャーの違いは?」
「自身がチームを率いるときのコミュニケーションスタイルに問題はない?」
MBAの授業を通して自身を振り返り、今後のキャリア構築に活かすことが背景です。
教科書通読とアサインメント対応(授業1カ月前)
初めてのMBA単科だったので感覚も分からずでしたが、授業の1カ月前から本格的な準備を始めました。
まずは、前半の2週間で教科書を通読しました。
生徒の知識レベルを揃える為、ジョン・P・コッターが著した「第2版 リーダーシップ論」が教科書として指定されていました。
書評の記事ではないので詳細は省きますが、繰り返し記載してきた「リーダーとマネージャーの違い」や「リーダーシップを発揮する為の10個の教訓」が記されています。
普段触れていない分野でもあった為か、読みながら自身のことを省みていた為か、通読するだけでも2週間は要していました。
準備期間の後半はアサインメント、事前課題に取り組んでいました。
授業は1日で2つのケーススタディに取り組みます。授業は土日の2日間で行われます。
それぞれのケーススタディに対してアサインメントが割り振られていたので、合計で4つのアサインメントに取り組みました。
初日はネスレ・IBMを題材にしたケーススタディで、2日目はJR東日本グループの清掃会社TESSEIとバスケットボールのコーチを題材したケーススタディでした。
それぞれのケーススタディに対して3~6個の設問が設定されていますので、レポート形式で自分なりの見解を記します。
「自分なりの見解を記す」と言っても設問の背景や経営理論を踏まえた回答を求められていることを忘れてはいけません。
講師の目線に立って「何を生徒に考えさせたいのか」という視点でレポート内容を精査していると、これも2週間は掛かってしまいました。
事前学習を振り返って
これまではメンバークラスとして自身のスキルアップに焦点を当てて自己研鑽をしてきました。
しかし、今後は「リーダー」や「マネージャー」としての心構えや立ち振る舞いも含めて磨いていかなければいけません。
思えば「リーダーシップ」という観点で勉強に時間を割いて学んできたことはありませんでした。
「第2版 リーダーシップ論」を読みアサインメントに取り組むことで、様々な状況と立場に立ったリーダーシップを考えることができました。
ネスレやIBMのような大企業におけるリーダーシップも、自社内部の事情だけではなく、成熟市場なのか衰退市場なのか等の外部環境変化を踏まえた適切なリーダー像があることを学びました。
TESSEIやバスケットボールコーチの事例からは、より小規模な組織体でのリーダー像や一人の人間と向き合うことの大切さを学びました。
MBA単科を受講することが絶対的な答えはありませんが、基本的な知識を教科書で学び、ケーススタディやアサインメントで考え、講師や生徒と議論することで相対的な意見を知ることで、あなたのパーソナリティに基づいた「リーダーシップを開発」できると思います。
しかし、MBA単科を受講することは数万というお金と1カ月以上の時間を要してしまうので、教科書や名古屋商科大学ビジネススクールが出版しているMBA実況中継シリーズを読んでから受講を検討するのも遅くはないと思います。
東京丸の内キャンパスに到着
単科MBAへの申し込みが完了すると、事前に学校の方から授業専用のgmailアカウントが発行され、当日の案内等もgmailやclassroomという教育機関向けツールを介して受けることになります。
当日は案内に従って、JR東京駅にある丸の内ビルディングを目指します。
駅から直結する丸の内ビルディングに入り、事前案内を受けていた指定のエレベーターから9階を目指します。
エレベーターの上には電光掲示板があり、当日の授業内容等が掲載されています。
9階に着くと目の前にある螺旋階段を上り、スタッフに声をかけてセキュリティゲートを通してもらい、案内の通りに教室まで進みます。
さぁ、いよいよ入室です・・・!
授業開始
教室に入ると、5~6人程が着席できるテーブルが6卓程ありました。
事前に自分が属するグループが連絡されるので、その案内に従い着席をします。
授業はグループ単位で席に座り、ディスカッションやワークもグループ内で行うことも多いです。
私が初めてで緊張していましたし半分くらいの人は予習に夢中という雰囲気でしたが、中には既に顔見知りの方が多くいてリラックスした雰囲気の方もいらっしゃいました。
講師の方がいらっしゃると、アイスブレイクも兼ねた自己紹介と事前課題についてグループディスカッションが始まりました。
参加者の経歴は様々でした。
外資系製薬企業の経営企画、不動産会社社長、中国人起業家、ベンチャー勤務者、研究職、地場産業の2代目、会計士・・・。
これまでの経験、現在の仕事内容、目指す地点も近しい人がいない。
MBAで触れる多様性や刺激は普通の会社では得難い経験だと思いました。
多様性に基づき、同じ課題に対する見解も様々でした。
特に社長業をやられている方というのは、自身が会社を率いるリアルな経験からリーダーシップについての議論も自らが変革を起こすという気概を感じました。
一方で、ケースに記載されている情報やデータを緻密に読み取り汲み取り、とてもロジカルな意見を発言される方もいて、少し自信を持っていた分野でも鼻をくじかれました。
正直、自分は与えられた課題を如何に推進するかという受け身な「マネージャー」でしかなかったと気付きました。
いよいよ、ケーススタディが始まります。
ネスレやIBMのケースを元に、外部環境の変化を捉えて自社を如何に変革させていくのか、そこに必要なリーダーシップのスタイルは何なのかを徹底的に議論しました。
講師からの問いかけに対して、他の生徒は挙手をして意見を述べていきます。
「ここで臆していたら何も得られない・・・!」
事前課題に取り組んでいた課題の中でも腹落ちしていた課題について、勇気を出して挙手をすると見事に刺されました。
講師は生徒全員が公平に発言できるように指名してくれるので、挙手をすれば基本的にはいつか刺されます。
個人的に思ったのは、早めに挙手をしてしまうことです。
誤解を恐れずに言うと、経営理論や自身の経験を織り交ぜて感心するような発言をする人はほぼいません。
皆が教科書を読んで課題に取り組んだ同じレベルであることを他の発言者の発言から察しました。
であれば、あとはスピードです。
質を上げられないのであれば、スピードで生産性を高める。
仕事の基本ですが、ここでもその考え方が活きました。
一度発言をすれば余裕が生まれ、率先して自分の考えを述べたりグループワークでのファシリテーションを担うことができました。
この辺は日頃のコンサルティング業務での経験を活かせました。
発言に自信がない場合は、グループワークにおけるタイムキーパーや書記など、何かしら貢献する姿勢を持つことが重要です。
生徒による相互評価アンケートも取られ、最終的な評価(単位)に影響を与えますので。
授業の内容自体はもちろん勉強になりましたが、パーソナリティアセスメントにより自分は性格的どのようなコミュニケーション傾向があるのか、ということ知るころができたのが一番、業務直結の学びでしたね。
支配的に物事を進めていくのか、意見を取りまとめ調和を重視するのか、という傾向は何となく感じていましたが、改めて可視化すると自身の立ち振る舞いを見直すキッカケになります。
私は自らが支配的に引っ張っていくよりも、調和を重視してチーム総合力で勝負する傾向が強い人間でした。
このようなアセスメント結果から、2日目に扱ったTESSEIやバスケットボールのコーチを題材にしたケーススタディでの小規模・対個人との間に発揮されるリーダーシップについても、自分に置き換えて考えることができました。
チームメンバーの自尊心を高める仕組みづくりや人生を考えた判断をしてあげられるリーダーでありたいと思うようになった=軸ができた、という大きな財産を選られました。
名古屋商科大学ビジネススクール(土日MBA)体験感想
仕事を辞めずに土日にMBA体験。
実現する為の現実的な選択肢にはグロービス経営大学院もありましたが、私は名古屋商科大学ビジネススクールの単科授業を選んだことは非常に満足でした。
やはり「生徒の多様性を背景にしたケーススタディ・ディスカッションが自分を鍛えてくれる」という点は他に代えがたい経験です。
単に知識を学んでレポートにまとめるだけではなく、実務経験のある講師陣に導いて頂きながら議論して自らの解を出す。
現実の仕事もそのように進んでいくものです。
実践型の授業で実戦力を培える。
厚生労働省が専門実践教育訓練給付金の指定講座として名古屋商科大学ビジネススクールのMBAを挙げています。
上記の制度を活用しつつ、次は単科ではなく本格的なMBA受講を目指そうと思います。
授業風景の詳細が気になる方は、以下の本で疑似体験をしてみてください。
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