【図解&読み方】NIOSHの職業性ストレスモデルとは?

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私たちが生きている中でストレスを全く感じないというのは難しく、特に職場では様々なストレスに晒されることでしょう。

朝早くからの通勤に始まり、職場の人間関係、仕事量や仕事内容、拘束時間に給与など日々の生活に関連することが多くを占めるでしょう。

一方、会社の将来不安や雇用不安、ライバル企業の新製品による事業の危機、コンプライアンス問題や風評被害など、会社や社会からの影響を受けて個人がストレスを感じることも当然にあります。

今回は、上記のような職業に関する様々なストレス要因が、個人のメンタル不調にどのような影響を与えていくのかを図示化した「職業性ストレスモデル」についてお伝えします。

目次

「NIOSH職業性ストレスモデル」とは(読み方も)

まずはNIOSHの説明から始めたいと思います。

読み方が最初分かりませんでした。

米国労働安全衛生研究所 (National Institute for Occupational Safety and Health) の略称で、英単語の頭文字を取って「NIOSH(ナイオッシュ)」という読み方らしいです。

その名の通り、労働災害の予防を目的とした研究・勧告を行う米国連邦政府の研究機関です。

NIOSHが職業性ストレスに関する研究から提唱したモデルが「NIOSH職業性ストレスモデル」と呼ばれています。

「NIOSH職業性ストレスモデル」は6つの要素で説明されます。

図の左側では黄色の「ストレス要因」とオレンジ色の「個人的要因」が合わさってストレスを感じることを表しています。

そこに緑色で表された「緩衝要因」と呼ばれる周りのサポートなどが存在することでストレスが緩和されるのですが、一定のストレス許容度を超えると青色の「急性のストレス反応」を起こし、慢性的に続くと「疾病」になるというモデルです。

それぞれの要素を詳述します。

職場のストレス要因

仕事を行う環境や人間関係、仕事そのものから受けるストレスを指しています。

転職や異動、昇進・昇格によって環境が変わることでストレスを受けたり、会社や事業の先行き不透明感からの将来不安なども該当します。

NIOSH職業性ストレスモデルでは、以下が例示されています。

  • 職場環境
  • 役割上の葛藤、不明確さ
  • 人間関係、対人責任性
  • 仕事のコントロール
  • 仕事の量的負荷と変動性
  • 仕事の将来性不安
  • 仕事の要求に対する認識
  • 不充分な技術活用
  • 交代制勤務

仕事以外のストレス要因

家族からの期待や求められる役割などが該当します。

「親として子供の世話をする」「夫や妻として家事をこなす」といったことが身近な例でしょう。

個人的要因

この要因は年齢や性格に始まり、結婚生活の状況や職種といったような前述のストレス要因と関連のあるものを含みます。

より広範な意味合いでプロフィールといった感覚の方がしっくりきますね。

  • 年齢、性別
  • 結婚生活の状況
  • 雇用保障期間
  • 職種(肩書)
  • 性格(タイプA)
  • 自己評価(自尊心)

緩衝要因

緩衝要因はストレスを緩和させるサポート・支援を指しています。

上司や同僚からの支援を中心に、家族や友人が話を聞くことも重要な緩衝要因として機能するでしょう。

急性のストレス反応

職場や家庭から様々なストレスを受け、そのストレス要因を個人的要因による影響を受けて解釈(意味づけ)を行い、仕事仲間や家族からの支援によりストレスを軽減させるということが、これまでの要因によって語られています。

多くの要因が働き最終的に受けるストレスが大きくなると以下の「急性のストレス反応」を引き起こします。

  • 心理的反応 ⇒ 仕事への不満、抑うつ
  • 生理的反応 ⇒ 身体的訴え
  • 行動化 ⇒ 事故、薬物使用、病気欠勤

私の場合は「イライラ」に始まり、「発汗・頭痛・腰痛」が主なストレス反応です。

このように自分の傾向を把握していると客観的に「少しストレス溜まり過ぎかも」とコントロールできるようになってきますよ。

正直、「急性のストレス反応」が現れた時点でストレス緩和の動きをしなければ、「疾病」の段階まで止まることは難しいと思います。

元からストレスコントロールが苦手な人であるのにストレス要因が重なってしまってストレス反応を引き起こしているのですから、そのまま悪化することは想像に難くありません。

疾病

最後にストレスに晒される状況が長く続き、ストレスに耐える力がなくなってしまった段階です。

ストレス反応は心身からのアラート(警報)です。

「そのままストレス状態が続くと危ない」と教えてくれているのです。

にも関わらず、状況改善ができずにいると「医師の診断による問題(障害)」になってしまいます。

上司や家族が積極的に支援を

私も一時は、頭痛が続き、自殺を考え、人と話すことが億劫になるという状態にまで陥りました。

一度沈んでから浮上するには、それはそれでストレスが掛かります。

「仕事を続けるのは辛いけど生活があるし・・・。」なんてことをグルグル考えてしまうのです。

本人は頑張って生活していても、グルグル悩んでいる人はどこか「心ここにあらず」という雰囲気があります。

ストレスを感じて悩んでいる方は、よく言われますが1人で悩まずに誰かに相談してみてください。

逆に、周りの人(職場では上司でしょうし、家庭では家族でしょう)が微妙な変化に気付いて支援をしてあげることで、「疾病」段階に至る人を減らすことができます。

ストレス要因を減らすのか、緩衝要因を増やすのか、いずれにしても協力できることを探せる視点を持てると良いですね。

従業員のメンタルヘルスケアに取り組む企業を探す

今回ご紹介したNIOSHのストレスモデルを厳格に意識して、メンタルヘルスケアに取り組んでいる企業はないというか探せないと思います。

一方で、「従業員のメンタルヘルスをケアするための取り組みを行っているか否か」は調べることができると思います。

筆者「きつね」が務めるコンサルティング業界でも、ホワイトなコンサルティングファームが増えています。

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