コンサル業の大半がプロジェクト形式
「プロジェクト」という形式で仕事を進めるのがコンサル業の大半です。
プロジェクトで扱うテーマが戦略であろうとシステム開発であろうと、マネジメントしていく観点は共通です。
過去の様々なプロジェクト事例を研究し、プロジェクトマネジメントの観点を体系的に整理したものがPMBOK(Project Management Body Of Knowledge)になります。
「ピンボック」と発音します。
プロジェクトマネジメントを行う為の教科書的存在です。
「プロジェクト」とは
まずは「プロジェクト」の定義について確認していきます。
「プロジェクトとは、独自の製品、サービス、所産を創造するために実施される有期性の業務である。」
PMBOK
ポイントは2つです。
- 有期性:期限があるか
- 独自性:新しい価値を創造するか
既存商品の営業や日々の経理業務はプロジェクトではなく、定型業務とされています。
一方、新規事業の立ち上げやシステム導入等はプロジェクトとして扱われます。
定型業務というのは部署や担当者の責務として明確に分けられ、定義された範囲の仕事を効率的に行うことが重要になってきます。
日々続く作業を独創的手段でこなされては、何かあったときに誰も監査することができないですし、引き継ぐことができません。
一方で、プロジェクトというのは不確実が付き物です。
というよりも、新たな価値を創造する仕事の形式なので、不確実が前提となります。
不確実であり、かつ多様な課題に直面する為、色々な人(※1)が一緒に、必要に応じてチームを編成して困難を乗り切っていきます。
※1 : 部署が違うこともあれば、職位が違うこともありますし、そもそも会社や国が違う人と一緒にチームメンバーとして働くこともあり得ます。
上記のように、プロジェクトのメンバーとして配属・採用されることを「アサイン」と呼びます。
様々なバックグランドや専門性を備えたメンバーがアサインされ、プロジェクトという不確実な敵と戦うというのは、RPGのようですね。
プロジェクトを通してメンバーは成長していきますし、残念ながら脱落してしまう人もいます。
そのような状況でもプロジェクトを管理して成功に導いていくことが、コンサルタントやプロジェクトマネージャーに求められているのです。
プロジェクト管理の教科書
不確実であるプロジェクトをマネジメントしていく為の知識を「PMI」というアメリカの非営利団体が体系的にまとめたものが、PMBOKになります。
プロジェクトマネジメントにおける世界標準になっているので、「PMP」という国際資格やIPAが実施している国家資格、情報技術者試験における「プロジェクトマネージャー試験」もPMBOKを前提にしています。
詳細は別の機会に書くとして、今回はPMBOKにて定義されているプロセスと知識体系を記載します。
5つのプロセス
プロジェクトは以下の5つのプロセスで推進していくものとされています。
- 立上プロセス
- 計画プロセス
- 実行プロセス
- 監視・コントロールプロセス
- 終結プロセス
10の知識エリア
上記5つのプロセスを推進していくうえでのマネジメント観点を10の知識エリアとして整理しています。
- 統合マネジメント
- スコープマネジメント
- スケジュールマネジメント
- コストマネジメント
- 品質マネジメント
- 資源マネジメント
- コミュニケーションマネジメント
- リスクマネジメント
- 調達マネジメント
- ステークホルダーマネジメント
プロセスや知識エリアについての詳細は、別の機会にお伝えします。
今日は「プロジェクト」と「PMBOK」という存在について、理解することをゴールとしてください。
段階的に少しづつ、でも確実に知識を増やしていきましょう。
まずは広く浅く知ることがPMBOK体得の一歩。
初学者に最適な入門書をご紹介します。
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