コンサルタントとして、マーケティング領域のプロジェクトに初めて関わることになったあの日。
『ドリルを売るには穴を売れ』に出会ったおかげで、マーケティングの基礎を手軽に素早く学ぶことができました。
時代は変わります。
しかし、マーケティングの対象が人間である以上、変わらない普遍的なマーケティング脳が存在します。
『ドリルを売るには穴を売れ』がマーケティング入門書の定番になった理由は、いつの時代にも通用する「ベネフィット・STP・差別化・4P」を学ぶことができるからだと思います。
『ドリルを売るには穴を売れ』のおすすめ読者
- マーケティングの基礎を学びたい入門者・初心者
- マーケティングを学んだけど実務でいざ使うとなると困っている担当者
- コンサルタントとしてマーケティングのプロジェクトにはアサインされたけど話についていけない若手
ここで質問です。
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『ドリルを売るには穴を売れ』概要
マーケティングに携わると「顧客はドリルが欲しいのではない。穴が欲しいのだ。」といった意味の言葉を聞くことがあると思います。
この言葉はマーケティングにおける基礎を簡潔に表すとても重要な言葉です。
本書はまさに、この言葉の意味を学べる1冊です。
著者:佐藤 義典(さとう よしのり)
「戦略BASiCS」という経営フレームワークを提唱した佐藤 義典さんが著者になります。
「戦略BASiCS」も経営やマーケティングについて綺麗にまとまっている良書だと思うので、ぜひご覧ください。
著者情報
- 佐藤 義典(さとう よしのり)
- 早稲田大学政治経済学部卒業
- NTTで営業やマーケティングを経験後、米ウォートンスクールにてMBA取得
- その後、外資系メーカーにてマーケティング、営業、開発、製造などを統括。
- 消費財のマーケティングを4年間経験し、外資系マーケティングエージェンシーにてコンサルティングチームのヘッドとして活躍外
- 「戦略と戦術を結ぶ」ことを理念とする経営コンサルティング会社、ストラテジー&タクティクス株式会社の代表取締役社長
佐藤さんはマーケティング関連の本を多数出版されており、2022年現在ではグロービス経営大学院のマーケティング講師もされています。
そんなマーケティングの専門家である佐藤さんが記したマーケティングの入門書であり、定番書が本日ご紹介する『ドリルを売るには穴を売れ』になります!
『ドリルを売るには穴を売れ』目次・章構成
本書はマーケティングに関する基本的であり普遍的な知識を、イタリアンレストランの再建をテーマに学ぶことができます。
各章では、ある商社に勤める新人マーケターがイタリアンレストランの再建を命じられて悪戦苦闘する姿が小説のようなストーリーで体験できます。
もちろんストーリーだけではなく、しっかりとマーケティングの基礎を学べる講義パートとも呼べる解説部分もバランス良くあります。
小説パートと併せて読むことで、楽しくマーケティングを学ぶことができる点が本書のオススメポイントです。
- 序章 “マーケティング脳”を鍛える
- 第1章 あなたは何を売っているのか?―ベネフィット
- 第2章 誰があなたの商品を買ってくれるのか?―セグメンテーションとターゲット
- 第3章 あなたの商品でなければならない理由をつくる―差別化
- 第4章 どのように価値を届けるか?―4P
- 第5章 強い戦略は美しい
『ドリルを売るには穴を売れ』要約詳細
それではマーケティングの基礎理論を学ぶ本書の内容をご紹介します。
序章 “マーケティング脳”を鍛える
マーケティングというのは特別なことではなく、私たちの日常生活で行われています。
本書でも野菜不足と感じた人間が、野菜ジュースやサプリメントに手を出すことはマーケティングに影響をされていると例示されています。
野菜不足なら、野菜を食べるというのが普通の考えなのに、なぜ野菜ジュースやサプリメントを連想してしまうのでしょう?
他にもあります。
あなたがお昼を食べるために外を歩いていると、様々なお店の看板が目に付くと思います。
もしかしたらコンビニやスーパーでお弁当を買うことも選択肢と浮かぶかもしれません。
あなたは最終的に、どこで何をお昼として食べるのでしょう?
このように、日常生活にマーケティングのネタとなることは限りなく転がっているのです。
「マーケティング脳」という言葉が本書では使われており、以下のように定義されています。
マーケティングのヒントに敏感で、マーケティング的な思考・発想ができること
ドリルを売るには穴を売れ, p14
私たちの日常に、マーケティング脳を鍛えるお題は様々に溢れているのですが、そのマーケティング活動を理解するたには理論が重要になってきます。
マーケティングを理解する基本的であり、重要な理論が本書で紹介される「ベネフィット・STP・差別化・4P」というわけです。
第1章 あなたは何を売っているのか?―ベネフィット
ベネフィットという言葉を使うビジネスパーソンは多いですが、案外定義をしっかりと理解できていなかったり、似たようなカタカナ語と混同している人も多いはずです。
ベネフィットとは、「顧客にとっての価値」だ。
ドリルを売るには穴を売れ, p44
本書のタイトルにもなっている「ドリルと穴」を例にすると、簡単に理解できます。
あなたが工具のドリルを売る仕事をしているとしましょう。
顧客にとってのベネフィットとは何になるでしょう?
顧客にとってはドリル自体に価値があるのではなく、ドリルを使って開ける「穴」に価値があるのです。
ドリルはあくまで価値を得るための手段であり、道具。
他の道具で穴が開くのであれば、顧客からしたらドリルを使わずとも問題はありません。
顧客にとっての価値を捉え、顧客の価値を高めること・顧客が払う対価を減らすことがマーケティングにとっては重要になるのです。
マーケティングは価値に対する対価を下げ、下図の不等号を維持し、拡大するための活動全般ということになります。
顧客が得る価値にも種類があり、その裏にある根源的な欲求ということも押さえておかないと効果的なマーケティング活動はできません。
価値には物理的であり、製品やサービスの核とも呼べる「機能的価値」や製品やサービスを使うことによる精神的な充実をもたらす「情緒的価値」があります。
どちらの価値を満たすためにマーケティング活動をするのか、よく考える必要がありますね。
さらには、価値の裏にある「根源的な欲求」にも注目する必要があります。
ESG理論という心理学の考えを簡略化した表現として捉えてもらえれば問題ありません。
多くの理論が存在するマーケティング界隈ですが、基本的な原理原則を理解しておくことが大事だと思います。
第2章 誰があなたの商品を買ってくれるのか?―セグメンテーションとターゲット
自社が提供する価値を改めて捉えたとしても、「誰に届けるか」を考えなければなりません。
製品・サービスを届ける相手によって、価値が変わってくるからです。
本書でも時計が例に挙げられていますが、顧客がオシャレなハイブランドの時計を欲しがる人なのか、電池交換も時刻合わせも不要で耐久性のある時計を欲しがる人なのかで、提供する価値は全く異なります。
このように求める価値と裏にある欲求が異なる存在をまとめてマーケティング活動をすることは、どちらにも好かれない中途半端な結果に陥ることは想像できると思います。
だからこそ「セグメンテーションとターゲティング」という考えが重要になってくるのです。
顧客となる可能性がある人たちを心理的変数(性格的な傾向)と人口統計的変数(年齢や性別など)の掛け算で分類分けします。
分類されたひとつひとつが「セグメント」であり、分類分けすること自体をセグメンテーションと言います。
セグメンテーションをした結果、自社がどのセグメントを「ターゲット」とするか選ぶことがターゲティングです。
ターゲットとするセグメントを選ぶには、対象のセグメントが市場規模として充分に存在するかや自社の強みを活かせるか、または競合に優位なセグメントになっていないか等を総合的に判断する必要があります。
この作業を誤ると非効率的なマーケティング活動に繋がりますが、多様な価値観が存在する現代ではセグメンテーションとターゲティングを一発で成功させるのは難しいのが現実です。
スモールスタートで小さく試し、効果を確認しながら徐々にアジャストしていくような考え方を取り入れたいですね。
第3章 あなたの商品でなければならない理由をつくる―差別化
ターゲットを選定してマーケティング活動に取り組もうとしても、顧客に対して提供できる価値が競合企業の価値と異なっていなければ選ばれることはありません。
顧客に選ばれるために競合企業との価値の差を明確にしていくプロセスが「差別化」になります。
差別化は非常に難しい。
なぜなら、価値を提供してくれるのであれば、顧客にとっては業界の垣根は関係がないからです。
あなたが家にいて、暇な時間を過ごしているとき、暇な時間を潰すための製品・サービスは何が思いつくでしょうか?
ネット動画、スマホゲーム、テレビ、マンガ、本、運動、勉強、お酒、外食、家事…。
ダラダラと楽しむものから真面目なものまで、ありとあらゆる体験が暇な時間を潰すために活用できます!
これらは業界という括りでは異なりますが、暇な時間を潰すという提供価値では競合となり得ます。
マーケティングをする側にとって、ライバルとの違いを明確にして顧客に届けなければ選択肢としても思い浮かばないほどに、現代は様々な製品・サービスが登場している群雄割拠な時代です。
では、ライバルとの違いである差別化を考えるうえで、どのような軸があるのか。
本書では3つの差別化戦略として、以下のように紹介されています。
手軽軸は、ある程度の品質で良いから安く便利に。
商品軸は、最新の技術や高品質の製品やサービスを提供する。
密着軸は、「おもてなし」や「お得意様」のように顧客に密着してニーズに応える。
このような方向性があるとしています。
戦略論では良く言われることですが、このような戦略の方向性は1つに絞って採用することが鉄則です。
複数のいい所を取り込もうとすると、結果として中途半端な「どっちつかず」に陥る可能性が高くなるので要注意です。
第4章 どのように価値を届けるか?―4P
最後の「4P」は有名な言葉なのでご存知の方も多いと思います。
- Product(製品・サービス)
- Place(流通チャネル)
- Promotion(広告・販売促進)
- Price(価格)
この4つの英単語の頭文字を取って「4P」と呼びます。
顧客に対する価値をどのように届けるか、その対価として金銭をもらうということを表す端的でわかりやすいフレームワークです。
価値を提供するターゲットに対して、どのような製品やサービスが求められるのか。
製品やサービスをどのような販路で届ければ良いのか。
価値を感じてもらうには、製品やサービスを知ってもらうにはどのように広告を出していけば良いのか。
そして、結果として顧客からはいくらの対価を頂けば良いのか。
4Pを一貫させることが顧客に価値を届けるうえで非常に重要だということは、消費者目線でも納得できますよね。
毎日食べる納豆の価格が1パック1,000円ではとても手が出せませんし、例え価格が安くても近所のスーパーやコンビニで売っていないのであれば購入することはできません。
「毎日のご飯のお供」という市場では勝てない結果になってしまいます。
一方で、超高級食材のトリュフが近所のコンビニで売られることは、まずないでしょう。
高級食材というイメージとコンビニは明らかにかけ離れていますし、数百円の商品を気軽に買えるコンビニに数万円の食材があっても購入する人は、まぁいないですよね。
第5章 強い戦略は美しい
実は4Pだけではなく、「ベネフィット・セグメンテーションとターゲティング・差別化・4P」のすべてが一貫性を保っていることが良いマーケティングということになります。
第5章では、美しいレベルでマーケティング要素を整合させて、一貫性を保っている例として「東京ディズニーリゾート」が取り上げられています。
ぜひ、本書を手にして、その美しさを熟読してみてください!
『ドリルを売るには穴を売れ』でマーケティング基礎が身に付く
マーケティングの知識を身につけるだけではなく、どのようにマーケティングが行われているかを疑似体験するには『ドリルを売るには穴を売れ』を読むことは本当にオススメできます。
マーケティング入門書として知れ渡っていますが、仕事をするなかで忘れがちな基礎を振り返るための一冊としてマーケティングに携わっている方にもオススメできる本だと思っています。
実際に、今回の書評記事を書く過程で『ドリルを売るには穴を売れ』を読み返しましたが、大事なことを思い出させてくれた良書だと感じました。
あなたもマーケティングを学び活用できるビジネスパーソンを目指すのなら、一読して損はないですよ!
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