コンサルタントとして優秀だと思う人間は、3つのスキルから成るスキルセットを備えています。
自身が新卒からコンサルタントとして考えてきたこと、マネージャーとしてパートナーや若手コンサルタントと接して感じた経験が根拠です。
今回の記事が「ビジネスパーソンとしての成長を考えながら、何を学べばよいか迷っている」そんなあなたの解決策になれば嬉しいです。
優秀なコンサルタントのスキル1:状況把握力
コンサルタントという仕事は、プロジェクトごとにクライアントや取り組むテーマ(コンサルティングする課題の種類)が異なっていきます。
プロジェクト状況や課題感、ステークホルダーの期待値などを、どれだけ早く・正確に把握して、クライアントと共に課題解決に向けたプロジェクト推進ができるか。
その点が何よりも大事な、コンサルティングの一丁目一番地になります。
優秀なコンサルタントは総じて、クライアントの置かれた状況や全社におけるプロジェクトの位置づけ・課題感などを把握する力に秀でています。
コンサルティング業界では、このように外部のコンサルタントがクライアント・プロジェクトの状況を把握することを「キャッチアップ」と呼ぶことがあります。
「追いつく」「遅れを取り戻す」という意味合いの英語が本来ですが、「クライアントの置かれる状況に追いつく」という意味合いで使われているのです。
常日頃から、日経新聞や業界紙などから様々な業界動向を押さえておくことはもちろん重要ですが、他にもキャッチアップに長けるコンサルタントは以下の思考回路を持っています。
状況把握(キャッチアップ)力
- プロジェクトにおける「解くべき問いは何か」と常に考える思考回路
- 過去のプロジェクト経験を元にして「共通点は何か・相違点は何か」を考える思考回路
1点目はコンサルティングファームに入社した頃から叩き込まれる思考回路。
2点目は、アサインされるために定期的にキャリアの棚卸をする機会も多いので、自然に身に付くものかもしれませんね。
事業会社に勤めていると、「上から指示された仕事をこなしていく・部署異動も少ないからキャリアの棚卸も少ない」となるかもしれません。
もし、あなたがそんな風に思ったのなら、就職・転職面接をすると思ってキャリアの棚卸をしてみても良いかもしれませんね。
優秀なコンサルタントのスキル2:要約力
コンサルタントとして活躍する人間が備えるスキルセットの2つ目。
それは「要約力」です。
自分があまり得意ではないので、偉そうなことは言えないのですが・・・。
資料作成するにも、プレゼンテーションをするにも「伝えたいことは何か」と要約する力は必要です。
このスキルに乏しいと、ダラダラと文章を書いてしまい「結局、何が言いたいの?」となってしまいがち。
資料作成においても、「メインメッセージ」と「メインメッセージを補足表現するための図表」が対応・関連していないことも起こり得ます。
「要はこういうこと」というのがクリアになっていると、文章や図表はシンプルにクリアに表現できるようになります。
そうすると、解釈の余地を減らし、誤解が少なくなるので、ミスコミュニケーションも減っていきます。
特に部長以上の偉い方って忙しいので、あんまり長い文章を読んでいただくことって望ましくないですしね。
コンサルタントとして求められる役割に、PMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)という、プロジェクト管理の支援や会議のファシリテーターといったものがあります。
こういった役割においては会議中の議論をまとめて交通整理をしたり、ステークホルダーの考えをまとめ上げることも必要です。
マネージャー以上になると増えるコンフリクト解消系の役割をこなすためにも、コンサルタントとして昇格したい場合は、より重要になってきます。
常に日ごろから、メール1通、チャット1文においても「要は何を伝えたいのか」ということを考えてください。
余分な文言は削除する。
冗長な言い回しは、明確な言葉に置き換える。
そういった習慣が要約力の向上に役立ちます。
優秀なコンサルタントのスキル3:論理的思考力
最後は、やっぱり「論理的思考力」ですね。
ロジカルシンキング・論理的思考力の重要性が叫ばれて久しいですし、関連するビジネス書もたくさん出版されています。
論理が全てではないですが、上記の「状況把握力・要約力」も基礎になっているのは「論理的思考力」です。
論理的思考力があるからこそ「解くべき問いは何か?」と考えられるし、「過去のプロジェクトとの共通点・相違点は何か」とロジカルに整理ができる。
「要は何を伝えたいのか」とまとめる力も論理的思考力があるからこそ、的確にまとめ上げることができます。
コンサルタントとしての成長も地道な努力あってこそ
優秀なコンサルタントは「状況把握力・要約力・論理的思考力」というスキルセットを備えている。
そんなお話でしたが、これらの力も一朝一夕に身につくものではありません。
これまで一緒に仕事をしてきたコンサルタントのなかでも「この人は凄い!」と思える人は、自己研鑽として平日のスキマ時間や休日の数時間に読書やスキルアップに向けた課題に取り組んでいます。
逆に「いまいちだなぁ」と感じてしまうコンサルタントは、「プロジェクトのなかで成長します」という人が多いです。
確かにプロジェクトを通して成長することはできますが、日頃から地道な努力をしているからこそ成長できるのです。
プロジェクトは本番の試合です。
練習をする場ではありません。
こういったマインドセット(心構え)が何よりも大事なのかもしれませんね。
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